スポ少には「お父さんコーチ」が在籍していることが多いですよね。
クラブチームとスポ少の違いのひとつでもある、ボランティアの「お父さんコーチ」。
子供と一緒にサッカーの練習をしたり、試合に行くと子供のプレーをほかの親よりも間近で見られたりとメリットも多い一方、同じ「保護者」という立場から気苦労も多いもの。
10年ほどスポ少に在籍していたため、さまざまな「お父さんコーチ」を見てきましたが、お父さんコーチだからこそ起こり得る親とのトラブルなどについてお伝えします。
スポ少のお父さんコーチになるには
うちのチームの場合ですが、スポ少のお父さんコーチになるためのテストなどは特にありませんでした。
立候補すればほぼ誰でもコーチになれる感じですね。
もしくは一生懸命なお父さんをコーチ陣がスカウトすることもあります。
ただしボランティアと言えどもお父さんコーチを引き受けるには、子供の試合や練習に帯同しやすい仕事の方でないと難しいですね。
スポ少サッカーの試合や練習は基本的に土日。夜練がある場合は平日の夜7時~9時くらいの時間帯ですので、土日出勤の方や残業が多いお仕事の方は厳しいでしょう。
チームのコーチになるためのテストはありませんが、試合の審判をするための「審判講習」(JFA・日本サッカー協会主催)は必ず受講してもらいました。(費用はスポ少持ちです)
本格的にコーチになるのなら審判講習だけではなく「指導者養成講習」を受けてもらうことになります。
スポ少サッカーお父さんコーチのメリット・デメリット
お父さんコーチになる人は、やはりサッカー経験者が多い印象です。
「大好きなサッカーに毎日携われる。しかも自分の子供と一緒に」というのは、お父さんコーチならではのメリットでしょう。
試合ではどの親よりも身近に自分の子供のプレーを堪能できます。
一方でデメリットとして挙げられるのが、「試合中にどうしても自分の子供に目が行ってしまう」、「どう考えても自分の子供が一番活躍したけど、チームのMVPに選出しづらい」などでしょうか。
コーチをやっているお父さんの子供って、これまた結構上手な子が多いんですよね…。
コーチである前にお父さんなのだから仕方ないのですが、はたから見ていてもとてもやりづらそうでした。
お父さんコーチは自分の子供と同じ学年を任されることが多いため、「コーチ」と「親」との境界線が引きにくいです。
スポ少サッカーコーチと親とのトラブル
お父さんコーチと親がトラブル、というのは少し言い方が違うかもしれません。
「親が一方的にお父さんコーチの悪口を言ってしまう」という言い方のほうがしっくりくるでしょうか。
例えば同じ学年にボランティアのお父さんコーチがいた場合、ほかの親から見ると「コーチ」でありながらもやはり根底は「○○君の親」という意識です。
ほかのコーチがしてもなんとも思わない指導なのに、お父さんコーチが同じ指導をすると「ひいきだ」などと言われてしまいがちなのは感じました。
これをトラブルと言っていいのかはわかりませんが、お父さんコーチならではの現象なのでは?と思います。
お父さんコーチに限らず、スポ少のボランティアコーチは「言われっぱなし」な印象です。
親が一方的に怒って(指導法がイマイチ、試合に出してくれない、態度が気に入らないなど)、子供を辞めさせることが多かったように思います。(うちのチームの場合です。本当にマズいコーチがいる場合もあるでしょう)
私の子供たちの学年にはお父さんコーチがいなかったため実体験ではありませんが、「お父さんコーチのいる学年」のぼやきはこちらから聞かなくても入ってきました。
実録・スポ少サッカーのお父さんコーチ
私が在籍していたころにお父さんコーチをやっていた方について、3人ほど例を挙げながらお話しします。
まず1人目のお父さんコーチ。
そのコーチは「自分の子供だけ強く叱りすぎる」、「学年一くらい上手いのに自分の子供をMVPに選ばない」といった傾向がありました。
「ひいきしないように」という思いからなのでしょうが、「自分の子供にだけきちんと指導している」「自分の子供を意識しすぎ。どう考えてもあの子がMVPでしょ」といった陰口を叩かれていました。
「MVPに選んだら選んだで文句言いそうな人」が言うことなのでしょうがないですが、「お父さんコーチって何をしても叩かれるんだな…」と思ったのを覚えてます。
続いて2人目のお父さんコーチ。
こちらは「自分の子供の学年だけ熱血指導する」傾向がありました。
練習時にこのお父さんコーチの学年と、うちの子供の学年でミニゲームをやったときのことです。
お父さんコーチの子供のいる学年に点数が入ったとき、そのコーチは思わず「イェーイ」と言ってしまいました。
それが私の学年の母たちの耳に届いてしまいます。
「イェーイ、ってどういうことなの?」「コーチだろ?」とそのお父さんコーチに聞こえるような声で文句を言い始めました。
私も「言われた方の学年の親」だったので、これには少し「えぇ…」と思いました。心の中で言ってほしかったなと。
もちろん、それ以降は言わなくなりましたが。
最後、3人目のお父さんコーチは低学年でお父さんコーチになった人の例です。
うちのチームはスポ少活動全般において、大人はなるべく手を出さずに子供主体でやらせるようにしていました。
たとえば試合の準備(自分の持ち物・チームの持ち物・試合会場までの荷物運搬)、試合時間の確認、テント設営・片付け…。
3人目のお父さんコーチは入団して間もなくコーチになったため、試合に帯同した経験もあまりなかったのでしょう。
試合の合間も自分の子供の荷物を片付けたり、ご飯を食べさせたり、トイレに付き添ったりしていました。
自分の子供のお世話ばかりしてしまい、ほかの親からかなりのひんしゅくを買う羽目に。
それから低学年だと特にありがちなのですが、お父さんがコーチをやっていると「俺のお父さん、コーチだから!」といってほかの子にマウント?を取ってしまいケンカになる子が多いです。
3人目のコーチのお子さんがそんな感じで、トラブルが絶えずに最終的にスポ少を辞めることになりました。
これからお父さんコーチをやる方向で考えている方は、お子さんにも話をしておくといいと思います。
まとめ
今回はスポ少サッカーのお父さんコーチについてお伝えしました。
まとめると以下のようになります。
- スポ少のお父さんコーチになるには審判講習などの受講が必要
- お父さんコーチのメリットは自分の子供とともにサッカーを楽しめること・デメリットは「親」と「コーチ」の境界線が引きにくくなること
- お父さんコーチがほかのコーチと同じ指導をしても、「ひいきだ」などと陰口を叩かれやすい
お父さんコーチを経験したことがないので偉そうなことは言えませんが、うちのチームで例に挙げたお父さんコーチは年数を経るごとに指導の仕方や声の掛け方などが変わっていきました。
私もスポ少で「成長できたな」と思うことは多々あるので、お父さんコーチもその辺は一緒なのかな、と思います。
子供の試合の度に審判をしたり、土日をつぶして指導してくれたりとほかの親よりも格段に大変なので「一緒なのかな」は失礼かもしれませんが…。
スポ少活動はいろいろな人の協力の上に成り立っている、というのを忘れてはいけないなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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